指定年月日 | 平成8年6月27日 |
所在地 | 大字勝常字代舞1737 [地図] |
所有者 | 勝常寺 |
薬師堂の本尊で、平安時代前期の作である。大材から像形を彫り出したあと、前後に割って
内刳りを施し再び
矧ぎ合わせる、「一木
割矧造」の技法で作られている。本像は「割矧造」と呼ばれる技法を用いた古い作例として知られている。また、
宝相華葡萄唐草を浮彫りにした光背と、宣字座も当初の作とみられている。
像容は、狭い額に彫りの深い目鼻立ち、厳しい表情、厚い胸板から両腿にかけて圧倒的な量感、その上に流れる飜波式衣文など、平安初期特有の彫刻様式が如実に現れている。用材から当地における製作と考えられるが、その造形技術は東北地方にある他の平安初期作例と比べてきわだって優れている。
両脇侍である日光・月光菩薩立像とともに平成8年(1996)国宝に指定された。
指定年月日 | 平成8年6月27日 |
所在地 | 大字勝常字代舞1737 [地図] |
所有者 | 勝常寺 |
 月光菩薩立像 |  日光菩薩立像 |
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本尊薬師如来の脇侍である。いずれもケヤキの
一木造で、背面から
内刳りを施す。両像はほぼ左右対称で、
乾漆の手法を用いて作られている。平安時代前期の作で、台座も同時期のものとみられる。
厳しい表情の薬師如来とはうって変わった柔らかな表情、七頭身のしなやかな姿態に前時代である天平様式の特徴がみられる。また腰から大腿にかけて厚みを増した肉感性や足もとの流れるような衣のひだに、薬師如来像と共通した特色がある。
寺伝では、日光・月光両菩薩が逆で、明治
36年国指定の時に現在の名称に変えられた。